特定技能1号の「5年ルール」と例外:通算在留期間の計算方法
特定技能1号の在留資格を持つ外国人材や、その受け入れ機関の皆様にとって、最も重要なルールの一つが「通算在留期間」です。特定技能1号には、在留期間に明確な上限が設定されています。このブログ記事では、特定技能1号の通算在留期間の基本原則、含まれる期間、そして特に重要な例外措置について詳しく解説します。
目次
1.特定技能1号の通算在留期間の基本原則
5年間の上限と特定技能2号との違い
在留資格「特定技能1号」については、通算在留期間が原則として5年以内でなければならないと定められています。
これに対し、在留資格「特定技能2号」については、通算在留期間に上限は設けられていません。
5年の通算在留期間に含まれる期間
特定技能1号の5年の上限を計算する際、以下の期間も通算在留期間に含まれます。
- 「特定技能1号」で在留中の就労していない期間。
- 再入国許可による出国期間(みなし再入国許可による出国期間も含む)。
- 「特定技能1号」への移行を希望する場合の在留資格「特定活動」の在留期間。
通算在留期間の確認方法
申請人の通算在留期間を把握したい場合は、申請人の出入国記録を用いて計算いただく方法があります。開示請求を行う際は、請求書の余白に「通算在留期間の確認のため」と明記する必要があります。
2.5年の通算在留期間に算入されない例外的な期間
特定のやむを得ない事情や休業期間については、「特定技能1号」の在留資格が継続していても、5年の通算在留期間には含まれない特例措置があります。
本取扱いを希望する場合は、5年の通算在留期間が満了する前(概ね3か月前)に、必要書類を添付した上で、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、または在留期間更新許可申請を行う必要があります。
(1) やむを得ない事情により再入国できなかった期間
再入国許可(みなし再入国許可を含む)により出国したものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための上陸拒否措置などのやむを得ない事情により日本に再入国することができなかった期間は、通算在留期間に含まれません。
疎明資料として、再入国出国期間に関する申立書(参考様式第1-28号)や、やむを得ない事情により再入国できなかったことを疎明する資料の添付が必要です。
(2) 産前産後休業・育児休業期間
以下の期間において、1号特定技能外国人としての活動が行えない期間は、通算在留期間に含まれません。
- 産前産後休業期間: 労働基準法に基づく産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)・産後8週間。
- 育児休業期間: 育児・介護休業法に基づく期間(原則として子が1歳に達するまで。延長の場合は1歳6か月まで、再延長で2歳まで)。
疎明資料としては、休業期間に関する申立書(参考様式第1-30号)、母子健康手帳の写し、産前産後休業または育児休業を取得したことを疎明する資料、休業期間中のタイムカードの写しや出勤簿の写しなどが求められます。
(3) 病気・怪我による休業期間
病気・怪我により1号特定技能外国人としての活動が行えない期間も、一定の要件を満たせば通算在留期間に含まれません。
- 休業期間は、原則として1年以下である必要があります。
- 労災による病気・怪我に起因する場合は、その事情を鑑み、休業期間が3年以下とされています。
- 休業期間は、連続した1か月を超える期間である必要があり、体調不良等を理由とする数日間の自宅療養や断続的な通院による休業は対象外です。
申請時には、休業期間に関する申立書(参考様式第1-30号)、医師の診断書、病院から発行された治療・入院等の事実を証明する資料(治療期間や入院期間が記載されているもの)、さらに労災の場合には労災保険の支給決定通知書の写し、および休業期間中のタイムカードや給与明細書などの写し が必要となります。
3.通算在留期間が6年に延長される特例措置
特定技能2号評価試験等に不合格となった1号特定技能外国人のうち、一定の要件を満たすものについては、当分の間、5年を超えて在留することについて相当の理由があると認められる場合に該当し、通算在留期間が6年となります。
6年への延長が認められる要件
この特例措置の対象となるのは、以下の要件を全て満たす1号特定技能外国人です。
- 全ての試験で8割以上の得点:分野別運用方針に定める「特定技能2号」への移行に必要な全ての試験について、合格基準点の8割以上の得点を取得していること(不合格となった試験の受験日は問わないが、疎明資料から当該要件を満たしていることが明らかである場合に限る)。
- 申請人の誓約:
- 合格に向けて精励し、かつ、同試験等を受験すること。
- 合格した場合、速やかに「特定技能2号」への在留資格変更許可申請を行うこと。
- 合格できなかった場合、速やかに帰国すること。
- 特定技能所属機関の要件:
- 当該外国人を引き続き雇用する意思があること。
- 特定技能2号評価試験等の合格に向けた指導・研修・支援等を行う体制を有すること。
申請手続きと対象試験の状況
本特例を希望する場合も、5年の通算在留期間が満了する前(概ね3か月前)に、必要書類を添付した上で在留期間更新許可申請をし、通算在留期間6年を上限として許可されます。提出書類には、通算在留期間を超える在留に関する申立書や、合格基準点の8割以上の得点を取得していることが確認できる全ての試験結果通知書の写しが含まれます。
【注意:対象外・検討中の試験】
この「8割以上の得点」を証明する試験結果通知書の発行については、分野や試験の種類によって対応状況が異なります。
- 現在、「現在対象外」とされている試験については、8割以上の得点を取得していることが証明できないため、現在のところ6年の通算在留期間の対象ではありません。
- 「自動車整備士技能検定2級」および「航空従事者技能証明」については、現在のところ、6年の通算在留期間の対象になる予定はありません。
- ビルクリーニングおよび機械保全以外の「技能検定1級」については、証明書の発行に関して受験地の都道府県ごとに対応が異なり、詳細が決定次第公表される予定です。
- 建設分野、造船・舶用工業分野、自動車整備分野、航空分野、宿泊分野などの特定技能2号評価試験は、現在「現在対象外」または「検討中」であり、今後順次対象となる予定です。
申請が必要な場合は、期間満了の概ね3か月前までに、地方出入国在留管理局に申請を行うようにしましょう。
詳しくは出入国在留管理庁のHPをご確認ください。



