建設キャリアアップシステム等活用促進コース(雇用管理改善促進事業)のご案内

本助成金は、建設技能者の処遇改善やキャリアパスの明確化を目的としており、建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した雇用管理改善の取り組みを行う中小建設事業主に対して、その取り組みにかかる経費の一部を助成するものです。これにより、若年者等の建設業への入職・定着を促進し、魅力ある労働環境づくりと職業能力開発の促進に資することを目指しています。この助成金は、賃金の引き上げ分そのものを助成するものではなく、賃金規定の改定委託料やCCUSを活用した雇用管理改善に係る制度導入のための説明会費などの「要すると見込まれる経費」の一部を助成することを目的としています。


1. 助成金の目的

  • 建設業界における人手不足対策として、建設技能者の能力や経験に応じた適切な賃金設定を推進すること。
  • CCUSを活用し、中小建設事業主が雇用する建設技能者のキャリアパスを明確化し、客観的な評価に基づく処遇改善を促進すること。
  • これにより、若年者等の建設業への入職・定着を促し、建設技能者全体の処遇改善と労働環境の整備、職業能力開発の促進を図ること。

2. 対象事業所

本助成金の対象となるのは、以下のすべてを満たす中小建設事業主です。

  • 雇用保険料率が17.5/1,000であること、または建設業の許可を得た上で、雇用保険料率が17.5/1,000以外であること。
  • 資本金の額もしくは出資の総額が3億円以下、または常時雇用する労働者数が300人以下であること。
  • 建設労働者を雇用し、建設事業を行っていること。
  • 建設労働者の雇入れや配置、技能向上、職業生活上の環境整備に関する管理を行う雇用管理責任者を選任していること

【支給対象とならない事業主】 以下の場合は助成の対象外となります。

  • 建設労働者を雇用せずに自ら建設業を行う「一人親方」。
  • 事業主と生計を共にする同居の親族のみを使用して建設事業を行っている者
  • 大企業は、中小企業と比較して経営基盤が弱くないという公平性の観点から、対象外となります。

3. 対象労働者

助成金の算定対象となる建設技能者は、以下の要件を満たす者です。

  • 工事現場における建設工事の施工に従事する者のうち、当該建設工事を適切に実施するために必要な技能を有する者。
  • CCUSの登録対象となる者。
  • 能力評価制度のレベル判定で昇格評定(レベルが上がること)を受け、かつ賃金が5%以上増加した技能者
  • 事業主自身は、助成対象となる技能者としてはカウントされません

4. 要件

本助成金を受給するためには、以下のすべての要件を満たす必要があります。

  • 雇用する全ての建設技能者について、建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録を完了していること
    • この技能者登録は、レベル判定が可能な「詳細型登録」である必要があります。「簡略型登録」ではレベル判定ができないため、助成金の要件を満たしません。
    • 計画届提出時点で雇用する全ての技能者の登録が完了していれば、その後に新たに雇用した未登録の技能者がいても要件を満たすことになります。
  • 能力評価のレベル判定で昇格評定を受けた建設技能者の「毎月決まって支払われる賃金」について、昇格評定を受けた日以降に5%以上増加させ、支払われていること
    • 賃金が5%以上増加しているかの判断は、算定対象とする建設技能者ごとに、賃金改定後12か月間の賃金総額と改定前12か月間の賃金総額を比較して行われます。
    • 「毎月決まって支払われる賃金」とは、基本給及び諸手当を指します。
      • 含むもの: 労働と直接的な関係があり、労働者の個人的事情とは関係なく支給される手当(役職手当、資格手当、一定の能力に対する手当など)。
      • 含まないもの: 月ごとに支払われるか否かが変動する手当(時間外手当、休日手当、夜勤手当、出張手当、精皆勤手当、報奨金など)、または労働と直接的な関係が薄く、労働者の個人的事情により支給される手当(家族手当、通勤手当、住宅手当など)。ただし、これら個人的事情による手当でも、扶養家族の有無や通勤距離に関わらず労働者全員に一律に支給される場合は含むことがあります。
    • 賃金が5%以上増加したと認められないケースがあります。
      • 賃金増額後、合理的な理由なく賃金を下げる場合。
      • 合理的な理由なく、賃金以外の諸手当等の額を引き下げ、賃金を引き上げる場合。
    • 賃金が時給や日給、出来高払い等で月ごとに変動し、労働者の都合等により労働日数が著しく少なくなった場合など、比較が適切でない場合は、「労働日に通常支払われる賃金の額」に「所定労働日数」を乗じて「毎月決まって支払われる賃金」を算出し、比較することができます。
      • 「著しく」とは、傷病や育児、介護などで長期休暇を取得する場合などが想定されます。雨の日の休業は労働者の都合による休業には該当しません。
    • 昇格評定は、増額改定後の最初の賃金支払日の前日までに受ける必要があります。計画届提出前に昇格評定を受けていた技能者も、計画に含め計画通りに事業を行えば算定対象となります。
    • 賃金の引き上げは、段階的ではなく、一度に5%以上の引き上げを要件としています。これは、段階的な引き上げではCCUSを活用した引き上げであることの確認が難しいためです。
    • 同一の技能者がCCUSのレベル判定で昇格するたびに(レベル4が最高のため最大3回)、この助成金を申請することが可能です。
  • 事業主都合による解雇等を行っていないこと
    • 本事業の開始日の前日から起算して6か月前の日から支給申請書の提出日までの間に、支給対象となる事業を実施した事業所において、雇用保険被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く)を事業主都合により離職させていないこと。

5. 申請手続き

本助成金の支給を受けるためには、主に「計画届」と「支給申請書」の提出が必要です。

ステップ1:計画届の提出

  • 提出先: 主たる事業所の所在地を管轄する都道府県労働局長。
  • 提出期間: 賃金の増額改定日の属する月の初日の6か月前から2か月前の前日まで
    • 例えば、賃金改定月が2025年8月の場合、提出期間は2025年2月1日から2025年5月31日までです。
    • 天災等のやむを得ない理由で期間内に提出できなかった場合は、その理由を記した書面を添えて随時提出できますが、賃金増額改定日の属する月の初日の1週間前までには提出が必要です。業務の繁忙は、やむを得ない理由として認められません。
    • 計画の変更: 計画内容に変更が生じた場合は、計画変更届の提出が必要です。例えば、増額改定予定月に変更がある場合や、算定対象となる建設技能者に変更がある場合などです。原則として、賃金の増額改定日の属する月の初日の7日前まで、または変更事由が生じた日から10日以内(やむを得ない理由の場合)に提出が必要です。

ステップ2:技能者登録(詳細型登録)の完了

  • 雇用する全ての建設技能者が、レベル判定が可能な「詳細型登録」を完了させている必要があります。

ステップ3:能力評価制度のレベル判定で昇格評定を受ける

  • 対象となる建設技能者が能力評価制度のレベル判定を受け、レベルが昇格している必要があります。昇格評定は、増額改定後の最初の賃金支払日の前日までに受ける必要があります。

ステップ4:賃金の増額改定

  • レベルが昇格した技能者の「毎月決まって支払われる賃金」を5%以上増加させて支給します。

ステップ5:賃金の比較確認

  • 賃金改定前後12か月間の賃金を比較し、5%以上増加していることを確認します。

ステップ6:支給申請書の提出・助成金の支給

  • 提出先: 管轄労働局長。
  • 提出期間: 増額改定後の賃金算定期間の末日の翌日から起算して原則2か月以内
    • 賃金改定時期が異なる複数の技能者がいる場合でも、1つの計画届で支給申請を分けて行うことが可能です。
    • 計画届が事業実施年度の5月末日までに提出された場合、4月1日からの取り組みも助成対象となります。

【支給額】

  • 算定対象となる建設技能者の数に16万円を乗じた額。
  • ただし、1つの事業年度(支給申請年月日を基準とし、同年度4月1日から翌年3月31日まで)あたりの支給上限額は160万円(算定対象技能者10人分)です。

6. 必要書類

【計画届に必要な書類】

  • 人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等活用促進コース(雇用管理改善促進事業))計画届(建活様式第1号)。
  • 改定前賃金総額内訳確認票(建活様式第1号別紙1)。
  • 改定後の賃金算定期間に適用を予定している増額改定の概要がわかる資料(算定対象となり得る人数、増額改定の割合等)。
  • 賃金台帳(改定前の賃金算定期間に係る基本給、各種手当、賞与など賃金の支払い状況が確認できるもの)。
  • 労働保険料の算定基礎として計上している賃金総額の内訳(基本給、各種手当、賞与など)が確認できる書類。
  • その他管轄労働局長が必要と認める書類。

【支給申請に必要な書類】

  • 人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等活用促進コース(雇用管理改善促進事業))支給申請書(建活様式第3号)。
  • 雇用する全ての建設技能者が建設キャリアアップシステムの技能者登録(詳細型登録)を完了している旨の疎明書。
  • 能力評価結果通知書又は建設キャリアアップカードの写し(カラー)。
  • 賃金の増額改定前後12か月間の賃金台帳及び出勤簿等出勤状況が分かる書類。
  • 改定後賃金総額内訳確認票(建活様式第3号別紙1)。
  • 増額改定した毎月決まって支払われる賃金の内容が確認できる書類(支給申請日現在で有効である給与規定、賃金テーブル、手当規程など)。
  • その他管轄労働局長が必要と認める書類。

【重要事項】

  • 上記のチェックリストは基本的な書類をリスト化したものであり、これ以外にも都道府県労働局が審査にあたって書類の提出を求める場合があります。
  • 書類の不備や添付書類の不足がある場合は受理されませんので、早めの提出が推奨されます。

7. その他の注意事項

  • 申請期限の厳守: 提出期限までに申請がない場合、助成金は受給できません。期限や記入方法については、最寄りの都道府県労働局またはハローワークに相談してください。
  • 現地確認等への協力: 支給要件の確認のため、費用負担、賃金の支払い、訓練等の実施状況、建設労働者の雇用状況などについて、現地での確認や聞き取り、報告や書類の提出を求められることがあります。これらに協力できない場合や、申請内容に疑義がある場合は、助成金を受給できないことがあります。
  • 助成金の返還と不正受給への対応:
    • 虚偽の記載や偽りの証明などにより、本来受けることができない助成金の支給を受けたり、受けようとしたりした場合(不正受給)や、本来支給される額を超えて支給を受けた場合は、支給された助成金の全部または一部を返還することになります。
    • 不正受給の場合、支給決定の取り消しや不支給決定に加え、取り消し日から5年間は各種助成金が受給できなくなります。特に悪質な場合は詐欺罪として刑罰に処されることもあります。
    • 返還に際しては、受給した日の翌日から返還が終了するまでの間、延滞金(法定利息)が加算されます
  • 不支給要件: 以下のいずれかに該当する事業主は、助成金が支給されません。
    • 不正行為により助成金の不支給措置が取られている場合。
    • 前年度以前の労働保険料を納入していない場合。
    • 支給申請日の1年前から前日までの間に労働関係法令の違反を行った場合。
    • 特定の風俗営業等を行っている場合。
    • 暴力団関係事業所である場合。
    • 破壊活動防止法に規定する暴力主義的破壊活動を行った、または行う恐れがある団体に属している場合。
    • 支給申請日または支給決定日時点で倒産している場合。
    • 助成金の不正受給が発覚した場合の公表に同意していない場合。
  • 書類の整理保管: 助成金の支給に関して提出した書類(費用や賃金に関する証拠書類など)は、支給(不支給)決定日から起算して5年間保存してください。
  • 同一事業主・団体の一事業年度あたり支給上限額: 助成金の一事業年度における支給上限額は、支給申請年月日を基準とし、当該支給申請年月日の属する年度の4月1日から翌年3月31日までの間を指します。そのため、例えば、令和6年度に行った計画の支給申請が令和7年度となり、別途新たに行う計画の支給申請も令和7年度となる場合は、同じ「一の年度」になるため、支給上限額には留意が必要です。