失業保険(基本手当)の「基本手当日額」とは?計算方法も解説!

退職を考えている方や、すでに退職して新しい仕事を探している方にとって、失業期間中の生活を支える雇用保険の「基本手当」は非常に重要な制度です。今回は、その基本手当の根幹となる「基本手当日額」について、その意味と具体的な計算方法、そして最新の変更点まで分かりやすく解説します。


基本手当日額とは

基本手当日額とは、雇用保険から支給される「基本手当(一般的に失業手当と呼ばれるもの)」の、1日あたりの支給額を指します。この手当は、雇用保険の被保険者だった方が、定年、倒産、契約期間満了などの理由で離職し、失業中の生活を心配せずに新しい仕事を探し、一日も早く再就職できるように支援することを目的としています。

基本手当を受け取るためには、以下の「失業の状態」にあることが条件となります。

  • 積極的に就職したいという意思があること
  • いつでも就職できる能力(健康状態、環境など)があること
  • 積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業に就いていないこと

病気や怪我、妊娠・出産・育児などの理由ですぐに職業に就くことができない場合や、定年退職後にしばらく休養したいと考えている場合、結婚などにより家事に専念し就職を希望しない場合などは、原則として基本手当を受けることができません。

基本手当日額の計算方法

基本手当日額は、主に以下の2つのステップで計算されます。

1. 「賃金日額」を算出する まず、退職する前の賃金をもとに「賃金日額」を計算します。

計算式: 賃金日額 = 離職日以前6ヶ月間に支払われた賃金の合計 ÷ 180

【ポイント】

  • この「賃金」には、残業代や交通費を含めた額面給与を合算しますが、賞与(ボーナス)は含めません
  • 賃金日額には、離職時の年齢に応じて上限額と下限額が定められています。これらの上限額・下限額は、「毎月勤労統計調査」による平均給与額の増減に基づき、毎年8月1日に見直されます

2. 「基本手当日額」を算出する 算出した賃金日額に給付率をかけて、基本手当日額を求めます。 給付率は、賃金日額のおよそ50%~80%の範囲で定められており、賃金の低い方ほど給付率が高くなる傾向があります。また、60歳~64歳の方については45%~80%となっています。

【参考:基本手当の総支給額】 基本手当の総支給額は、「基本手当日額 × 所定給付日数」で計算されます。 「所定給付日数」は、離職時の年齢、雇用保険の被保険者であった期間、そして離職理由(自己都合、会社都合など)によって90日~360日の間で決まります。

令和7年8月1日からの基本手当日額の変更について

厚生労働省は、令和7年8月1日から雇用保険の「基本手当日額」が変更されることを発表しました。

改定の背景と目的 この改定は、令和6年度の平均給与額が令和5年度と比べて約2.7%上昇したこと、および最低賃金の引き上げに対応するために行われます。これにより、失業期間中の生活支援としての給付水準が現状により即したものとなります。

具体的な変更内容(令和7年8月1日以降)

◇基本手当日額の最高額

離職時の年齢変更前(円)変更後(円)増額(円)
60歳以上65歳未満7,4207,623+203
45歳以上60歳未満8,6358,870+235
30歳以上45歳未満7,8458,055+210
30歳未満7,0657,255+190

◇基本手当日額の最低額 2,295円 → 2,411円 (+116円)

◇賃金日額の上限額

離職時の年齢変更前(円)変更後(円)
29歳以下14,13014,510
30歳~44歳15,69016,110
45歳~59歳17,27017,740
60歳~64歳16,49016,940

◇賃金日額の下限額 全年齢:2,869円 → 3,014円

【計算例】 29歳で賃金日額が17,000円の人は、上限額(14,510円)が適用されますので、令和7年8月1日以降分の基本手当日額(1日当たりの支給額)は、7,255円となります。

これらの変更は、高年齢雇用継続給付金、介護休業給付金、育児休業等給付といった他の給付金の支給限度額にも影響を与えます。対象となる方には、令和7年8月1日以降の認定日にお渡しする受給資格者証に新しい基本手当日額が印字されてお知らせされます。

まとめ

基本手当日額は、離職後の生活を支える大切な制度です。ご自身の受給額の目安を把握することは、今後の生活設計や再就職活動を進める上で役立ちます。正確な金額や手続きに関する詳細は、お近くのハローワークにご確認ください。