【2026年6月始動】「特定在留カード」への切り替えは必要?メリット・デメリットを解説

2026年(令和8年)6月14日より、従来の在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚に集約した「特定在留カード」の運用が開始されます。この制度は、外国人住民の利便性向上や行政手続きの効率化を目的として導入されました。

この新制度ですが、取得はあくまで任意であり、現行通り2枚のカードを別々に持ち続けることも可能です。


特定在留カードの主なメリット

特定在留カードを所持することで、特に長期滞在者にとっての利便性が大きく向上します。

  • 永住者等の有効期間が「10回目の誕生日」まで延長 永住者、高度専門職2号、および特別永住者の場合、カードの有効期間が現行の7年から、交付の日後10回目の誕生日までに延長されます。ただし、18歳未満の方は5回目の誕生日までとなります。これにより、更新手続きの頻度が日本人のマイナンバーカードのサイクルと同様になります。
  • マイナ保険証およびマイナ運転免許証としての利用が可能 マイナンバーカードと同様に、マイナ保険証やマイナ運転免許証として利用することができます。ただし、マイナ運転免許証として利用するには、警察署等で免許情報をICチップに書き込む手続きが別途必要となる点には注意が必要です。
  • 手続きの「ワンストップ化」による負担軽減 地方出入国在留管理局で在留期間の更新等を行った際、同時にマイナンバーカード機能も更新されるため、市区町村の窓口へ別途出向く必要がなくなります

特定在留カードのデメリットと注意点

利便性が高まる一方で、運用上の制限や特定在留カード特有の留意事項も存在します。

  • 通常の在留カードに比べて交付が遅くなる 即日交付が可能な通常の在留カードとは異なり、特定在留カードは交付までに10日程度長くかかる見込みです。すぐに新しいカードが必要な場合には不向きと言えます。
  • 新規上陸時は必ず切り替え手続きが発生する 成田や羽田などの空港での新規上陸の際には、特定在留カードを直接受け取ることはできず、まずは通常の在留カードが交付されます。特定在留カードを希望する場合は、入国後に改めて切り替えの申請を行う必要があります。
  • 常時携帯の義務がある 特定在留カードは在留カードとしての法的性質を保持しているため、マイナンバーカードとは異なり、外出時には常に携帯する義務が課せられます。
  • オンライン申請での交付は現時点で非対応 当面の間、在留申請オンラインシステムを利用した申請では特定在留カードの交付を受けることができません。希望する場合は、地方出入国在留管理局の窓口で直接手続きを行う必要があります。
  • 紛失時のリスクと再発行の手間 1枚に集約されているため、紛失すると「在留資格の証明」と「個人番号の証明」の両方の機能を同時に失います。再発行には、まず警察へ届け出た後、入管で通常の在留カードの再交付を受け、その後に改めて特定在留カードを申請するという、煩雑なステップが必要になります。

アドバイス

特定在留カードは「役所へ行く手間を減らしたい」という方には非常に有効な選択肢ですが、更新審査が長引き、本来の期限を過ぎて「特例期間」に入った場合には、マイナンバーカード機能が一時的に利用できなくなるといった実務上のリスクも残されています。

そのため、特例期間に入る可能性が高いケースや、紛失時のリスク分散を重視する場合は、あえて従来の2枚持ちを選択する方が賢明な場合もあります。ご自身の在留資格やライフスタイルに合わせて、最適な管理方法を選択してください。